ふたりの女の子が、チケットの獅子図を見て、「この絵って朝田寺にあるのですか」と聞いた。

東京博物館平成館で開催中の「ボストン美術館の至宝展」で『雲龍図』を観て、眼の表現が似ているからひょっとしたら同じ画家の作品ではと、尋ねたらしい。彼女は『雲龍図』がよほど印象に残ったらしい。たまたま牡丹を見に訪れた朝田寺(三重県松阪市)で、牡丹苑の入園券の獅子図が気になったらしい。

朝田寺では例年4月20日から5月5日の間、書院にて、蕭白の作品を含む当寺所蔵の文化財を公開している。『獅子図』を目の当たりにして、目を輝かせて私の話を聞いてくださった。また二人、蕭白のファンが増えたことが嬉しい。