泰山木

深田さんが植えた泰山木

深田さんの記念樹 
昭和51年4月、私は第四小学校赴任し、4年生を担任しました。深田宣子さんは、その時担任した子供のおかあさんです。
彼女は卓球が得意で、第四小学校のPTAの卓球部に入っていらっしゃいました。私も中学校の頃卓球をしていたこともあって、卓球部に所属していました。夏の連P(PTA連合会)の球技大会の前になると、毎晩のように練習しました。連Pの後の反省会、忘年会は飲んで歌って、帰る頃には日が変わって いました。朝田寺のお祭り、除夜の鐘には必ず足を運んでくださいました。そんなこんなで、子供が小学校を卒業されてからも、良い仲間としてお付き合いをしていたのですが、彼女が48歳の5月、癌でその命を終えられました。
「結婚する時には、榎本先生に仲人をお願いしなさい」というのが、彼女の2人の子供への遺言でした。実際、気の毒に、2人の子供は私たち夫婦の仲人で結婚式をあげました。
彼女が亡くなってしばらくしたある日、夫の忠光さんが、家にあった泰山木の木を2本、お寺に植えて欲しいと運んでこられました。
その忠光さんも他界されましたが、泰山木は5mほどの高さに成長し、6月の終わり頃には、毎年咲く真っ白い大きな花を咲かせています。その真っ白い大きな花を見る度に、仲のよかったお二人を思い出すのです。お二人とも泰山木の真っ白な花のように、純粋で真っすぐな方でした。ご冥福をお祈りします。