本居記念館の蕭白 牛をお尻を正面に描いている。いったい、牛は何を思って、何を見ているのだろう。対象物を正面や側面から描かず、お尻を正面に描くことはあまりやらないだろうに、蕭白はあえてお尻を正面に描く。朝田寺の杉戸画「獏図」もお尻を正面に描いている。この牛は顔を描かず、表情が読み取れないだけに、余計に想像が広がる。牛の背の墨は濃淡をうまく使っている。この絵は、ときどき展示されるので、運がよければ見ることができる。この春は展示されている。
蕭白「牛の図」 本居宣長記念館蔵
牛の図 落款・印