前回に続き、死後の行き先である六道、その中の地獄道についてお話を進めることにしましょう。

地獄は、私達の住む大地の地下深くにあって、生前の行いの報いを受ける所です。地獄のことをインドの古い言葉で「ナラク」といいます。漢字で書くと「奈落」。劇場の花道の下の床下を「ナラク」というのも、ここから来る言葉です。

天台宗の僧、恵心僧都(源信)の『往生要集』は地獄のことを次のように書いています。地獄は次の8つが上下に重なっていて、下に行くほど苦しみが増すとされています。

等活地獄・・・・・罪人同士が刀で切りつけ合う。肉が裂かれ血が噴き出している。生        前、動物に対し殺生した者が落ちる。

黒縄地獄・・・・・熱い鉄の縄で縛られる。釜ゆでもある。殺生・盗みをした者が落ちる。

衆合地獄・・・・恐ろしい鳥や牛や馬の頭を持った鬼が襲ってくる。山の木や葉は刀でで          きていて逃げ場がない。

叫喚地獄・・・・地獄の鬼たちによって釜ゆでにされる。あらゆる病気があって、身体中        が虫に食いつくされる。

焦熱地獄・・・・罪人は串刺しにされ、強い火力の炎で焼き尽くされる。

大焦熱地獄・・焦熱地獄よりさらに強い猛火で焼き尽くされる。

阿鼻地獄・・・・無間地獄ともいう。ひとときも休むことなく責め続けられる最悪の地獄

地獄の深さは一番近い等活地獄は5000由旬(1由旬は14.4㎞)、大きさは1万㎞の立  方体。一番下の阿鼻地獄ではその10億倍だそうです。

《六道の世界で救済する仏が『お地蔵様}』》

49日が済んだ故人は、六道の世界に行くのだそうです。お墓の入口にある『6体のお地蔵様』、6体のお地蔵さまが、六道に分かれ、六道に落ちた衆生を救うのです。地獄道に入ったから、それで終わりではないのです。