薬師如来
薬師如来

【朝田寺坊主の独り言】

薬師如来(朝田寺)
 薬師如来は、東方瑠璃世界の浄土にいらっしゃることから、正式には「薬師瑠璃光如来」といいます。そこは、瑠璃でできた大地に七宝の建物が立ち並び、瑠璃の光が発せられています。その光で、衆生の病が治るとされるのです。薬師如来とは、その名前の通り、衆生の病気を治してくれる仏なのです。右手は掌をお参りする皆さんの方に向ける施無畏印、左手に薬壷を持つのが一般的なお姿です。
 49日(七七日)の裁判官は泰山王(たいざんおう)、弁護人は薬師如来です。行き先が決まる最終審判の日です。お薬師さんは、この後のあの世の世界でしっかりやりなさいと、薬を持たせて送り出してくれるのです。
 ・・・・・・・・・・・ということは、この後も旅が続くの?
 そうなんです。それが六道の世界なのです。これについては、この次の独り言でお話しましょう。
 さて、松阪市船江町に薬師寺というお寺があります。かつては、子供の「かん虫封じ」で信仰を集めてお薬師さんです。平安前期の薬師如来(県指定)です。