不動明王

不動明王

(朝田寺の坊主の独り言)

初七日の仏=不動明王

人は亡くなると冥土の旅に出ます。49日間は行き先が決まらず、7日ごとに行く先々で生前の行いが調べられ、その罪が裁かれるのだそうです。この裁判で個人がよりよい判決を受けるように供養し回向するのが、7日・7日の法要です。

初七日の裁判官は秦広王(しんこうおう)。ここでは生前の罪が調べられます。同時に善い行いをしたかどうかも調べられます。その際に守って下さるのが不動明王という仏です。

不動明王は五大明王のひとつで、仏教を守る任にあたる仏で、大日如来が代わった姿(化身)なのです。大日如来は、すべての仏をまとめる宇宙ぜんたいの象徴である仏です。大日如来は自らの位に止まっているため、私達には近づきにくいものです。そこで、化身である不動明王が私達を教え導く仏となって、人間世界に下りてくるのです。右手には知恵を表す利剣を持ち、知恵の力で煩悩を断ち切ります。左手のロープは羂索(けんさく)といって、この縄で誤った道に入った者を引き戻すとされる仏です。