朝田寺書院(客殿)廊下:獏図(杉戸)

朝田寺書院(客殿)廊下:獏図(杉戸)

 

朝田寺書院(客殿)廊下:鳳凰図(杉戸)

朝田寺書院(客殿)廊下:鳳凰図(杉戸)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
             
朝田寺書院杉戸~獏図・鳳凰図(国指定重文)
朝田寺書院(元禄11年建立)の何面廊下にあった杉戸で、西に獏、東に鳳凰が描かれている。東にあった獏図は、閉めた際表にある側が、西陽を受けて、色があせ、剥離しているのが残念である。
 獏図~お尻を正面に向けて描く体は獅子、毛はイソギンチャクを貼り付けたようである。顔は牙をもった象、鼻を高く上げて、左の杉戸を見る。渦巻く谷川、怪しいげな雲、中央と下部が欠けて白い月。悪夢であろうか。獏は火炎をあげて、その悪夢を食べている。それでいて、楊の枝はやさしい葉をつけ、しなやかで美しい。裏面は杉の木の真後ろから、真っ赤な大きな太陽が昇る図である。獏が悪い夢を食べ、良い夢を見させてくれるという話を表裏で描いた作品である。
鳳凰図~桐の木にとまる鳳凰を描いた作品である。顔の表現、逆立つ首の毛、鋭い足の爪は、彼独特の怪異なものであるが、桐の木や葉、尾の表現は美しい。裏には萩と兎が軽快なタッチで描かれている。