朝田寺

一隅を照らす

一隅うぃ照らす Mさん

一隅を照らすMさん

一隅を照らす朝田寺は天台宗比叡山延暦寺の末寺。「一隅を照らす これすなわち国宝なり」とは、天台宗を開いた最澄(伝教大師)の『山家学生式』の中にある言葉で、天台宗の根幹となる教えです。私たちは社会の一員としてそれぞれの場でその役割を果たしています。一隅とは“場”、そえぞれの場で個人が輝くこと、自分の役割を果たし、人のため、社会のために貢献すること。そのことが大切ですと説いています。 朝田寺の寺域は約10,000㎡。私と家内のふたりできりもりしていますが、3年ほど前から、米つくりをやめたMさんが、毎朝1時間ほど境内の掃除に来てくださるようになりました。こちらがお願いしたわけでなく、ある日突然、掃除をさせて欲しいといらしたのです。以来、私はほとんど箒やさらいをもつことは少なく、もっぱら草ひきに専念しています。有難いことです。Mさんは自分が掃除をすることで、何の代償も期待していません。境内がきれいになることに喜びを感じて毎朝黙々とサライをもって掃除をしてくださる。そのことで、寺を訪れる人は心地よい気分になるのです。 Mさんのされていることは、まさに「一隅を照らす」精神そのものなのです。有難うございます。