朝田寺

朝田寺の古仏③

朝田寺の地蔵たち
平安前期~地蔵菩薩

地蔵菩薩(平安前期)

朝田寺は地蔵信仰に支えられてきたお寺です。 朝田寺には、本尊の地蔵菩薩(平安前期・国指定)の他に、本尊を摸刻した鎌倉以前と考えられるお地蔵様、平安前期の地蔵2体、平安後期の地蔵3体が残っています。 前期の地蔵2体、後期の地蔵3体は、足先が取れたり、裾部分が朽ちたり、手が取れたり、鼻が削られたりと痛みが激しい状態で、長い年月を感じさせます。中央の名のある仏師が彫ったのでなく、在地の仏師たちの作品でしょう。決して整った仏ではありませんが、それが逆に、親しみを感じさせます。 仏様にとって、1000年、1100年という年月は大変です。時には堂の隅っこに、堂が痛み雨漏りにあったかもしれません。戦乱の中で被害にあったかもしれません。痛みや傷を負いながら今に姿を残す仏たちに愛着を覚えるのは、私だけではないでしょう。 逆に。そんな長い年月を耐え、痛みも少なく、今も堂々と威厳を保つ本尊の地蔵菩薩。人々の篤い信仰に支えられ守られてきた証なのでしょうか
朝田寺の古仏~地蔵

地蔵菩薩像(平安後期)