私が作った鏡モチ
鏡餅、住職の私が作りました
私が小さい頃、檀家の野呂武郎さんという方が、年末の餅つきの頃になるとやってきて、鏡餅を作ってくれました。木の臼に足ふみの杵、手返しは誰だったか覚えていませんが、アッという間に腰高の鏡ができる魔法の手に、すごいなと思ったものでした。
その後を継いだのが、父でした。父の作った鏡餅もなかなかの出来で、父の自慢のひとつでした。父が健在の間は、杵でつくか、鏡餅をうちわで扇ぐのが私の仕事で、ほとんど餅に手を触れることはありませんでした。
父が病気になり、見よう見まねで鏡をとるようになって、25年くらいが立つでしょうか。今年は45㎏の餅米をつきました。褒められると、ついつい「じゃ、作ってあげようか」と、お寺のお供えに使う餅に加え、差し上げる方の餅の量が多くなってしまいました。家内から「いい加減にしなさい」と叱られています。