大阪から蕭白を観に来た女性二人からそんな注文を受けました。唐獅子図は本堂内内陣の壁面にあった、元は壁貼り付け画です。右に吽形・左に阿形の獅子がこちらを見るように配置されていました。蕭白がお地蔵さんの護りとして残していった作品です。ですから展示も獅子が向き合う形にしています。
中央に須弥壇があり、その両側に金箔・銀箔の三重の塔があり、正面からこの作品を観ることができません。観る人は斜めからしか観られないのです。しかも蕭白の獅子図は昼間でも暗い場所にありました。
照明を落として暗くしたらどんなに観えるのか、お二人は、そんな環境でこの阿吽の獅子図を観たいというのです。
そんなお二人の注文を受けて、照明を消して観ていただきました。感激するお二人を見て、私も幸せな気分になりました。
皆さん、どんな想いで当寺の蕭白の作品を観ていただいたのでしょうか。
来年も4月29日から5月5日一週間の展示です。蕭白の作品を観ながら話を交わせるのを楽しみにしています。

