朝田寺

曽我蕭白筆 獏図

夢を喰う珍獣 獏 

象と獅子をミックスした姿   イソギンチャクをくっつけて様な体毛  メラメラと燃える火焔  後ろ足を踏ん張り、尾っぽをあげ 鼻を高く上げて月を見つめる。

谷川はしぶきをあげて渦を巻き  黒い靄がかかり怪しげな雲が浮かぶ  悪夢を表現しているにであろうか その悪夢を獏が喰らっている

画面上からは垂れさがる柳の枝 葉っぱを一枚一枚描く。  白い月は中央が雲に隠れる。 

繊細な柳と荒れ狂う谷川・珍獣獏。正反対に画風が反発してより印象付けられる。

獏図の裏は槙の後ろから昇るデカい太陽を描く。太陽は槙の幹でぶった切られ、槙の葉は太陽で赤く染まる。その構図に驚かされる。

蕭白の画には、観る人をギョッとさせる何かがある。観る人に強いインパクトを与えようとする蕭白のサービス精神の表れか

外に出ていくことの少ない作品です。ゆっくりご覧下さい。