観る人を引き付けるいたずら

袋につまずいてひっくり返り、背負った袋が大きすぎて起き上がれない布袋。点々と描いた小さな目と鼻・口が何ともかわいい。『布袋尊』は悩みを袋に入れて救ってくれる仏、その布袋尊をひっくり返して・・・・・・蕭白独特のいたずらに、観る者も笑ってします。
酒を飲んでほろ酔い機嫌で描いたのか。その出来に満足したのか、わざわざ讃を入れている。「袋より すべるや琴の つまはずれ」画面にない琴が現れる。ちょいちょいと描いた画の出来に、よい気分でいる蕭白の様子が思い起こされる。小品であるが、蕭白の人柄が思い浮かぶ、私は大好きな作品である。