
蕭白は言います。「絵図を学ばば丸山主水よかるべし。画を求めんとなら我に乞うべし」。蕭白が自分の筆に自信を持っているからこその一言です。
雁と布袋は、もともと二枚屏風に貼り付けられていたものを軸装にしたものです。軸装の雁図に落款がないのはそのためです。
花鳥風月を写実的に描く狩野派の画家たちに対し、「画面いっぱいに描かれる二羽の雁。おれにかかれば2・3分で生きた雁が描けるんだ。」。そう言っているのかもしれません。
丸山応挙は狩野派の筆頭。同じ時代に生きた画家として、ライバル意識を持っていたのでしょうか。「丸山主水よかるべし」。彼は丸山応挙は狩野派のお中では一番であることを認めているんですよね。
ただ、絵図と画の違いだと主張する蕭白の心も分かる気がします。
朝田寺の古佛と蕭白、明日から公開です。