朝田寺永代供養墓 5月の連休のことでした。若いご夫婦がお骨と衣類を手に訪ねて来られました。奥さんはお腹が大きくて8月に御出産の予定だそうです。

「小さい頃に分かれたお父さんが亡くなって、分骨してお骨をいただいてきたのですが、その後、お父さんの供養が行われているかどうか分かりません。分骨して今持っているお骨もどうしたらいいか分かりません。ここのお寺は、故人の衣類を持って供養いただけるとのことですが・・・・・」

離婚するのは親の勝手。それで迷惑するのは子供なんです。でも彼は、小さいころに分かれた父親の供養をしようと訪ねてこられたのです。一年ほどお骨を持ったまま思い悩んでいたそうです。

お墓をつくるのは、若いふたりにとって大変です。いろいろお話を聞いて、お骨は永代供養墓の合葬墓に納め、板石に戒名を刻むことにして、その日は分かれました。

5月26日、納骨の日。お骨をさらしにくるんで納骨室にしずめ、納骨の儀をすませ、本堂で道明け供養の法要をすませました。

終わって、「またお盆に来ます。胸につかえていたものが降りてスッとしました。」と、笑顔で返してくれました。

坊主をやっていて、こんなうれしいことはありません。神妙な顔をして緊張してやってきた彼が笑顔で帰っていったことが・・・・・・・

「彼、本当にやさしいよね。」とお嫁さんにいったら、うなづいて笑顔で答えてくれました。本当に若いいい夫婦でした。